未来防災課

JR東日本の計画運休は避難警報よりも効果絶大!! 正常性バイアスによる「自分は大丈夫」という勘違いに風穴を空けた交通インフラ運休の大きな価値とは!?


こんにちは、未来防災課のさいとうです。

先日、台風24号が関東を通過しました。私も久しぶりに台風の直撃に遭遇し、自宅で風の音にビクビクしながら床に就きました。

さて、台風24号の影響でJR東日本は初の試み「計画運休」を行いました。この計画運休が何をもたらしたのか、まとめてみたいと思います。

 

▼目次

    1. 穏やかな日曜日に突然の全線運休
    2. 避難警報<計画運休
    3. 「自分は大丈夫」に風穴を空けたJR
    4. まとめ 計画運休が教えてくれたこと

 

穏やかな日曜日に突然の全線運休

大型の台風24号が迫っている。テレビなどはそのニュースを緊張感をもって伝えていました。それはもちろん、台風21号が残した爪痕の大きさを多くの国民が理解していたからでしょう。

私が普段利用している天気アプリ「tenki.jp」では、数日前から9月30日は1日雨予報。ペットの犬の散歩も出来ないなぁと思っていました。

ところが。ところがどっこいですよ。30日の朝には雨は止み、風も特に・・・。拍子抜けした私は、妻と2歳の娘を連れて犬の散歩へ出かけ、近所をブラブラ。お昼ごはんにパンを購入して帰宅する。そんな休日らしい時間を過ごしました。

心のどこかに「台風、逸れたのかな?」なんて、安心してしまうような穏やかな日曜日。

そんな中で、JR東日本が首都圏の各線の運休を発表したニュースを目にしました。最初は「山手線とかは動くんでしょ?」って思っていたら、全線。。。

「え、マジか・・・。そこまでする状況になるとは思えないけど・・・」

それが、第一印象でした。

 

避難警報<計画運休

運休のニュースを耳にした以降、その日は14時を過ぎても雨は降らずにいたので「ちょっと位なら出かけられそうじゃん」なんて考えが芽生えてきました。

事実、出かけたい先もあったので、2時間くらいなら・・・、そう本気で思ったのですが、「JRが20時で全線運休する」これが頭に引っかかって、結局外出はあきらめ家で過ごすことに。

すると、16時を過ぎたころから急に雨が降りはじめ、風が強くなり、ケータイアプリの警報が豪雨を知らせてくれました。

「出かけないで良かったぁ」

そう決断させてくれたのはJRの運休です。ありがとうJR!!

とは言え、出かけたとしても20時前には余裕で帰宅する予定だったので、帰宅には問題はなかったのでしょうが、

      • 電車が混むかもしれない
      • 私鉄の運休情報がないのが怖い
      • 想像しているより、台風の影響が出るかもしれない

そんなことが頭をよぎり、私は出かけないことにしました。

 

つまり、私の行動はJRの運休情報で変わったのです。おそらく、JRの運休情報を知った人の多くは、その日の行動に変化があったはず。これって、とってもスゴイことです。

何故なら、残念なことに災害時に発令される避難警報に多くの人は無反応。行動が変わる人はごく一部です。しかし、JRの運休には多く人が反応し、行動を変える。台風のような予測が出来る災害の時には、交通インフラからの情報が避難警報よりも効果が大きいのだと気付かせてくれたのです。

 

「自分は大丈夫」に風穴を空けたJR

西日本豪雨について、yahoo!ニュースでこんな記事を読みました。

【災害時の「まさか」はなぜ起きるのか 正常性バイアスの恐ろしさ】

(引用:yahoo!ニュース)

私はこの記事に登場する避難をしない親父さんにムカついてしょうがありません。正直、「避難しろよ、ボケ~!!」って心の中は憤怒の嵐。(読み手がそんな風に思う記事が書けるライターさん、さすがだなぁ・・・)

 

でも、今回の台風24号では、まさにこの記事に出てくる親父さんのような行動や思考を、自分自身が巡らせていたように思うのです。

何を隠そう、9月30日の私の行動や思考には「自分は大丈夫」と感じる正常性バイアスと呼ばれる心理的な作用がありました。

 

「自分は大丈夫」という心理は、通常誰しも備わっています。ですから、もちろん災害時であっても「自分は大丈夫」と思ってしまう。3.11の津波や西日本豪雨で「避難しなくても大丈夫」と言っていた人の多くが亡くなった要因は、この心理に大きな影響を受けていると言えるでしょう。

そしてさらに恐ろしいことは、今回のように『正常性バイアスが働くことによって自分は大丈夫だと誤った判断をしてしまう』といった事実を理解している私でさえも「台風逸れたのかな?」「ちょっとだけ出かけようかな?」と、知らず知らずのうちに正常性バイアスの心理に陥ってしまうことです。

今そこにある危機に、一番の当事者が気付けない。そのような心理がみなさん全員にあることを、本っ当の意味で深く理解してもらいたいんです(もちろん、一番理解すべきは私自身であることは言うまでもありません)。

 

今回のJR東日本の運休だって、決めるのは人間です。当然、正常性バイアスが働いたはず。それなのに、予測される風力が運休する数値を超えたというデータを基に決定を下した。

その決定を受けて、私たちの多くの行動が「無理をせず早く帰宅をする」、「外出を控える」そのように変わりました。

 

翌日からのニュースでは、運休の情報提供の方法に問題があったと指摘され、JR東日本の社長も会見でそれを認めました。しかし、情報提供の方法を改善するのは比較的簡単です。今回の反省点を次回に活かしてくれれば良いだけ。

何より、あの日のあの状況から全線の計画運休を決断したJR東日本には感服しました。これが「間引き運転」じゃ、おそらく多くの人には響かなかった。「全線運休」という大英断を行ったからこその成果をまずは賞賛してほしいと思います。

 

まとめ 計画運休が教えてくれたこと

災害時、多くの人の行動を変えることができるのは、避難警報よりも交通インフラの運休だと気付かされた今回の台風。

台風の時には、行政は交通インフラの力をうまく使って避難を促したほうが効果が期待できると思います。

結局、避難警報なんて「自分は大丈夫」と思っている人には全く響かない。それは、どこまで行ってもただの警報で、自分への警告ではなく、他の誰かの警告だと思っているから。

でも、運休は直接的、間接的に自分に影響が出る問題だから、否応なしに気にする人が多くなる。

災害時に誰かの行動を変えるには「いかに災害とその人を結びつけるか?」この視点が大切なのだと、JR東日本さんから学びました。

 

つまるところ防災は、「自分は大丈夫」という、通常人間が持ちあわせている自然な心理との闘いなんだ。いかにそれに抗うか! 抗わせるか! それが出来れば、より多くの人が助かるはずだと、計画運休から学ばせて頂きました。

未来防災課も正常性バイアスと闘い続けるメディアであり続けたいと思っています。

 

啓之斎藤

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