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2016.03.11 釜石の奇跡から学ぶ「津波てんでんこ」はドコに住んでいても知っておきたい家族を守るルールだった!

こんにちは、さいとうです。

さて、みなさんは3.11の生存率が驚異的な99.8%だった地域がある事をご存知でしょうか?

「釜石の奇跡」と呼ばれ、各メディアで特集されていたので、ご存知の方も多いかも知れませんね。

その奇跡のような結果を残したのは、東北地方に伝わる教訓と1人の大学教授の防災教育によるものでした。

詳しい話は「津波てんでんこ」と検索すれば読めるので、気になる人は調べてみてください。
参考までに(tenki.jp:http://www.tenki.jp/suppl/emi_iwaki/2015/03/10/2161.html)

さて、
「津波てんでんこ」を調べていくと、津波とは全く関係の無い地域であっても参考になる言葉のようです。防災の心得として是非とも知っておいてください。

「津波てんでんこ」とは

そもそも「津波てんでんこ」とはどんな意味でしょうか?

津波てんでんこ
津波はあっという間にやってくるから、周囲の者をかまうよりも、各自てんでんばらばらに逃げなさい。
「てんでんこ」は東北方言で「各自」の意(参考:コトバンク)

津波の時は家族さえ構わずに、1人でも高台に走って逃げろという意味。家族や集落の全滅を防ぐために語り継がれてきた。(参考:朝日新聞)

もし自分が高台に逃げたことで、結果として他人を助けられなかったとしても、それを非難してはならないという不文律も、この言葉には含まれています。(参考:tenki.jp)

大地震が来たら、誰にも構わず、とにかく自分は生き延びろ!! 的な言葉に思えますよね。

でも、この言葉には、その更に奥に本当に伝えたいことが隠れているのでした。

地震が起きた時、あなた以外の人はどうしてるの?

地震が発生した時、家族がバラバラだったとしたら、あなた以外の人はどんな行動を取るでしょうか?

例えば、こんなケースなら・・・。ちょっと想像してみて下さい。


ある日、子どもが学校から帰ってきて友だちの家に遊びに行きました。友だちの家から帰ってくる前に夕飯の買い物を済ませようと思い、買い物に出かけている時に大きな地震が発生。

買い物をしていた場所は幸い建物が崩れる事なく自分は無事。

ただ、自宅の方角から黒い煙が2,3か所から上がっているのが見え、延焼の被害は免れられないかもしれない・・・。


そんな状況だとしましょう。

ここで質問です。
友だちの家にいる子どもは果たしてどうするでしょうか?

「きっと、友だちと一緒に避難するだろう・・・」
「ひょっとしたら、家に帰ってくるかもしれない・・・」

リアルに考えてみてください。様々な想像が頭の中を交錯しませんか? こんな時、子どもがどんな行動をとるのか自信をもって断言できる親はどれだけいるでしょうか?

「津波てんでんこ」はみんなが助かるためのルールだった

先程の例で、あなたが「津波てんでんこ」の言葉を実践して我先に避難すれば、あなたは助かるかも知れませんが、子どもはどうでしょうか?

もし、子どもが家に帰ってくるかもしれないと考えたら、きっとあなたは危険を顧みず家に戻るはずです。

そうすると、普通に避難出来れば助かったあなたまで命を落とす事になるかもしれません。

因みに、3.11では、一度安全な場所に避難が出来たのに、自分の家などに戻った事で津波に襲われ命を落とした人が、死者全体の60%を占めていたという統計も出ているようです。

震災後、危険かも知れない場所に行くことは「死」を意味することを考えなければなりません。

そうは言っても、子どもの命がかかってるんだ! 自分の命くらい大したことない! 
その意見はごもっともです。

だから、

最初にちゃんとルールを決めてしまえばいいんです。大地震がきたら「てんでんこ」だよ! って。

先のケースで、子どもがしっかりと「てんでんこ」のルールを理解していたらどうでしょうか?

「地震が来たら、家族のことは気にせずに安全な場所に逃げるんだよって言われたんだ」
「お父さんもお母さんも、絶対に安全な場所に避難しているはずだ」
「避難が出来たら、あとで必ず迎えに来てくれるって約束をしたから絶対に逃げるんだ」

子どもが心からそう思えていたら、危険な家に帰らずに避難をすると思いませんか?

そして、「子どもが絶対に避難している」とあなたが信じ込めれば、あなたも絶対に避難出来るはずです。

これが「津波てんでんこ」で伝えたい本当の意味なのだそうです。

まとめ

三陸地方には「津波てんでんこ」のほかに「命てんでんこ」という言葉もあるそうです。意味は「自分の命は自分で守る」

大地震が来た時に、誰かの事が不安になるようでは、みんなの命が危険にさらされてしまいます。

子どもだって「お父さんやお母さんが心配だから家に戻る」という判断をしてしまうかもしれません。

「大地震がきたら、例え1人でも絶対に逃げるんだぞ」と本当に理解するまで言い続ける。

「避難出来たら、必ず見つけ出すから、安全なところにいるんだぞ」と本当に理解するまで言い続ける。

そして、必ず「お父さんも、お母さんも必ず逃げるからね」と約束をして下さい。

そのルールをみんなで共有して、家族全員が各々でちゃんと避難する。そして、家族全員が必ず避難していると信頼しあうこと。それが本当の意味での「津波てんでんこ」ということなんですね。

津波が来る地域、来ないような地域関係なく是非とも「てんでんこ」を家族でルール化してもらいたいものです。

参考文献:人が死なない防災、命を守る教育(著:片田敏孝)

斎藤啓之

執筆者:斎藤啓之

1980年生まれ
両親の出逢いはテニスコート。男3人兄弟の長男で、3世代で暮らし、友だちから「サザエさんのウチみたい」だと言われるような家庭で育つ。
料理は全く出来ないが調理師免許を持っており、味噌が変わると判る味覚をもつ。
剣道の有段者なので、棒で人を叩くと逮捕される。
趣味は、高3の秋から始めた野球。甲子園を目指したことの無い野球人。
ほとんどの人にA型?と聞かれるO型。

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