未来防災課

消防署からのお墨付き! 防災訓練でより実践的な「災害派遣訓練」を行ってみませんか?【防災関係者向け】


地元町会の防災部の斎藤です。

今年度の防災訓練から、オリジナルで考えた新しい訓練を取り入れました。その訓練は「災害派遣訓練」です。

消防署からの評判もよかったので、どのような訓練内容で、どのような物を用意したのか、全国で防災訓練を計画している皆さまや防災に関わりの多い皆様と共有したいと思います。

 

▼目次

  1. 災害派遣訓練の訓練概要
  2. 災害派遣訓練の準備と設定
  3. 訓練に用意した物
  4. 訓練のやりかた
  5. まとめ(反省点など)
  6. 作成した資料(ダウンロード可)

 

1.災害派遣訓練の訓練概要

引用:防災府

阪神・淡路大震災では、約8割の人が近隣住民によって救助されたのは有名な話。きっと、これから起きる大規模災害でも、住民どうしの助け合い(共助)が大切なのは言うまでもありません。

そうなると、地元で消火や救助が必要になった時に住民どうしがどのように対応をすれば良いのか、ちゃんと訓練しておく必要があるはずです。

発災後、学校などに立ち上げられる災害対策本部に集められた情報を集約して、避難してきた人で「消火班」や「救助班」などを編成し、被害が起きている場所に急行させる訓練。それが「災害派遣訓練」です。

 

2.災害派遣訓練の準備と設定

この訓練は、まず災害対策本部の役割をご理解頂くことから始まります。

この訓練上での災害対策本部について

災害時に情報を集約し指揮を執る任務を負ってもらいます。人員は最低でも3名。(3名だと、トラブルなどで1人でも抜けると回せないので、4人以上がオススメ)
使用するものは、机、イス、ホワイトボード、地元のマップ(ホワイトボードサイズ、A3サイズを複数枚)など。詳細は次章でご説明します。

災害対策本部の役割分担

  • 1人目(本部①)の役割は、救助を求める人から損害状況の報告を受けること。被害が発生している場所や被害状況を報告者より正確にヒヤリングする。
  • 2人目(本部②)は、本部①が集約した情報を整理する役割。災害の種類(火災や救助など)や災害の発生場所をホワイトボード上のマップを使用して、誰もが視覚的に被害の全体像を捉えられるようにする。
    使用するマップは、両サイドに罫線を引き自由に書き込めるようにしておく物を作成するのがオススメ。そこに派遣する消火班や救助班についての詳細を書き込む。
  • 3人目(本部③)は、トランシーバーを用いて現場に向かった各班と連絡を取り合う役割。作業の終了報告を受けたり、次に向かう災害現場の指示を行う。

災害対策本部の業務は、この他にもきっとたくさんの業務があるはずですが、この訓練では消火・救出・救助のみを切り取って行います。

想定している災害現場における準備

訓練なので、災害場所は事前に決めておきます。今回は災害ポイントを10か所ほど決めて、各ポイントにはあらかじめトランシーバーを持った関係者を配置。指定されたポイントまで派遣された各班が到着したら任務完了とし、 班長にトランシーバーを渡して、班長から本部まで任務完了の連絡を入れてもらいました。

災害場所に配置された人たちは、ただただ災害現場にくる消火班や救助班を災害現場で待つだけという、地味な割にかなり過酷なことを強いられるので、イスとカイロを用意しました。暑い時期の訓練なら、もちろん飲料水が必須ですね。(関係者である町会役員はほとんどが年配者なので、十分に身体をおもんぱかる必要があります)

本来であれば、災害ポイントでスタンドパイプを組み立てたり、救出や救助の訓練ができればいいのですが、

  • 道路上で訓練をするなら道路使用許可を想定ポイントごとで取らないといけない
  • 安全に行うためには管理する人員(消防署員)がさらに必要になる

このような理由で消防署から止められ、想定している各災害ポイントでの訓練は何もできませんでした。訓練はしないとしても、消火班にはスタンドパイプを引いていってもらう。救出班には応急救護セットを持っていってもらうなどの案もありましたが、次回以降の持ち越しとなりました。

これだと、参加者にただポイントまで歩き回ってもらうだけで面白みが無いので、災害ポイントでは防災に関するクイズを出して、考えてもらい答え合わせをしたら任務完了としました。

 

3.訓練に用意した物

今回の訓練は、初めて行う訓練だったこともあり、様々なものを準備しました。どのような物を準備したのか、箇条書きでご紹介します。

【必要な物】

【準備した資料】<全てページ下段にてダウンロード可>

  • 被害想定場所の配置図(各想定場所にスタッフを配置する)<資料①>
  • 被害想定場所のごとの被害状況詳細をまとめておく<資料②>
  • 防災クイズ<資料③>

 

4.訓練のやりかた

それでは、これから訓練の進め方を順にご説明します。

Ⅰ.災害発生の報告を受ける

災害対策本部に
「○○で火災発生」
「△△で倒壊した家の下敷きになった人がいる」
といった報告を、訓練の参加者に協力いただき、どんどんランダムにいれてもらいます。
訓練なので、損害状況と場所はあらかじめ決めておきます。被害状況などは想像しやすいような資料をあらかじめ作成しておき、災害報告の際に使ってもらいます。<資料②>

Ⅱ.被害状況の確認

災害対策本部ではA3サイズのマップや住宅地図を用いて、どこでどのような被害が発生しているのかを本部①が災害状況の報告者と確認する。

Ⅲ.情報の伝達と共有

本部①が得た情報を本部②に伝達。本部②はすぐさまホワイトボードサイズのマップ上にマグネットを利用し、災害ポイントにしるしをつける。しるしは数字をふったマグネットなどを用いました。(「3:訓練に用意した物」の写真参照)

ホワイトボード用マップの両サイドは罫線がふってあり、TO DOリストの様に、災害場所のおおよその住所や派遣する班を記入していく(「消火班A」など)。

Ⅳ.災害場所へ派遣する班の編成

消火班や救出班を編成し、班長に「消火班A」などと書かれているビブスを着用してもらい、災害現場を記したA3サイズの地図を渡して、災害現場へ向かってもらう。

Ⅴ.災害場所に到着

指定されたポイントまで派遣された各班が到着したら、実際に放水などが出来なかったため、防災に関するクイズに答えてもらい任務完了! 派遣された班の班長から、トランシーバーで本部まで連絡を入れてもらう。

Ⅵ.次の指示を伝える

作業を終えた場所とは別の場所で何かしらの被害が発生した場合には、次の被害場所に直接向かってもらうように本部③が指示をだす。あらたな被害が発生して無ければ、本部に戻って来てもらう。

Ⅶ.対応完了をリストに記す

本部③は、マップ余白に書かれてリストから、作業の完了報告をうけた現場を消し込んでいく。

訓練の流れはこんな感じです。

 

5.まとめ(反省点など)

今回の訓練では、想定した災害ポイントでの訓練が行えませんでしたが、町会会館が倒壊したと想定して、会館内に瓦礫を用意し、瓦礫からの救出訓練だけは実際に行いました。

やはり、向かった先で実際に救助活動などが行える方が実践的だと思いますので、訓練を企画する際には何かしらの訓練が実践できる方法を考えて頂きたいと思います。

 

相変わらず参加者の多くが高齢者なので、街中をただ歩かせる訓練もいかがなものかと思いましたが、若年層が参加してくれれば実りの多い訓練にはなりそうです。やはり問題は、いかにして子育て世代を呼び込むかだと痛感しました。

今回は、インスタ映えを意識し、子どもにミニ防火衣を着て消防車に乗れるように準備しましたが効果なし。もう、お菓子を配った方が、よっぽど良いんじゃないか? という事になってます。

 

訓練で使用したトランシーバー。通信状況なども良く、ストレスなく利用できましたが、トランシーバーに慣れておかないと、いざという時には役立たない可能性が高いと感じました。

トランシーバーで重要なのは、ケータイじゃないんだから、毎回名乗ってもらわないと誰からの報告かわからないんだけど、それを理解して行動に移すのは、慣れなきゃダメだと思います。「トランシーバーってなんか緊張する―」という意外な意見までありました。

 

訓練の為に作成した資料は、ダウンロードできるようにしましたので、同じような訓練をやってみたい! という自治会さんなどは、訴えたりしないので安心してご自由に加工してご利用ください。

また、訓練のやり方の詳細については、未来防災課の問い合わせフォームよりご質問頂ければ、すべて包み隠さずお伝えします。

また、マップの作成で協力頂いている武揚堂さんは、各地で防災マップを作成している実績もありますので、ご要望があればお問合せください(https://www.buyodo.co.jp/)

 

6.作成した資料(ダウンロード可)

今回の訓練で作成した資料です。ダウンロードできますので、参考にされるなり、ご自由に加工してご利用ください。




 

啓之斎藤

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