こんにちは、未来防災課のさいとうです。
日本には毎年のように台風が上陸します。それは、私たちが子どもの頃から変りません。
でも、上陸する台風は変わってきてるみたいです。天気予報で「超大型の台風が勢力を強めながら・・・」ってよく耳にしませんか?
実は、これからは強大な台風が日本に上陸することが当たり前になっていくかもしれないんです。
昔の台風のイメージのままでいると、ちょっとした判断ミスから命を落としかねません。台風、ナメちゃいけないんです!!
自分の命は自分で守れるオトナでいる為にも、台風について知っておきましょー。
そもそも台風とは?

台風って、ナンデ日本にたくさん来るんでしょうか?台風について、まずは基本的な事を学んでみましょー。
亜熱帯や熱帯で海から供給される大量の水蒸気が上昇して空気が渦を巻きできるのが熱帯低気圧で、これが最大風速17.2m/sを超えると台風となる
(参照:Wikipedia)
台風は熱帯低気圧の1種で、最大風速が17.2m/Sを超えると台風と呼ばれるようになります。
何故、台風は頻繁に日本に来るのか。それは地理的な理由。日本の南には亜熱帯や熱帯の地域が広がっていて、そこで台風が生まれ、北半球の対流の影響で北上してくるからです。しかも、ずっと海なので勢力が弱まらないー。
冷たい空気と暖かい空気が混ざりあおうとして空気が渦を巻きできる温帯低気圧とは構造が異なり、台風本体は暖かい空気のみでできている。
台風の北上によって冷たい空気が流入してしたときには温帯低気圧に変化する
(参照:Wikipedia)
一般に、台風は日本の南の海上で発達します。日本列島に接近・上陸すると衰える傾向にあるのは、北にある冷たい空気などによって冷やされたり、陸地では勢力が保てないから。冷たい空気が混ざると、最終的には温帯低気圧に変わっていきます。
- 台風(熱帯低気圧):混じりっ気なしの暖かい空気 → 要はブラックコーヒー
- 温帯低気圧:暖かい空気と冷たい空気のブレンド → 要はカフェオレ
こんな感じの違いでしょうか。
有名な与太話ですけど、日本にはハリケーンやサイクロンは来ません。アメリカに台風はきません。台風もハリケーンもサイクロンも基本的には同じ。発生した場所や移動した先の場所によって台風と呼んだりハリケーンと呼んだりします。
逆に、台風とタイフーンは同じ様ですが、実は少しだけ違うんだそーな。
熱帯低気圧って事は一緒ですが、勢力の基準が異なっていて、台風は日本の基準で決められたもの。タイフーンには世界基準があり、最大風速(1分間平均)が33m/s以上のものとされています。
なので、正確には
台風 ≦ タイフーン
ってことになります。
超豆知識。小粒な豆すぎて、とてもコンパ向きではありませんね。ははは・・・。
さて、本題に戻りませう。
何故、勢力の強い台風が増えたのか?

台風のエネルギーは海水が蒸発することによって蓄えられるので、台風が発生したり、勢力を拡大するには高い海水温が必要です。逆に、海水温が低ければ勢力が弱まります。
とすれば、日本に上陸する台風が強大化しているのは、日本近海の海水温が上昇していることによる影響であること事は言わずもがな。
日本近海における2014年までのおよそ100年間にわたる海域平均海面水温(年平均)の上昇率は、+1.07℃/100年です。 この上昇率は、世界全体で平均した海面水温の上昇率(+0.51℃/100年)よりも大きな値です。(参照:気象庁H.P)
これからの100年では、日本近海の海水温の上昇率は更に上がることが予想されています。
地球が温暖化すればするほど、日本を襲う台風は強大化していきます。これは自然環境の変化が原因なので、たまたま強大な台風が上陸したと考えるのは誤りで、強大な台風が日本に上陸することが当たり前になっていると考える方が正しいのかもしれません。
忘れちゃいけない2013年の台風30号
みなさんは甚大な被害が出た2013年の台風30号を覚えていますか?
はて?? 2013年の30号??甚大な被害の台風??
そう思う人がほとんどのはず。何故なら、甚大な被害にあったのは日本ではなくフィリピンだからです。
実はこの台風では、死者・行方不明者が8,000人近くにのぼる被害が出ました。
台風の規模が大きく、高潮が発生したという原因もありますが、住民の災害に関する意識の低さが被害を拡大させたとも言われています。


他のサイトでも、損害写真は多数確認出来ます。
- 町が瓦礫の山。台風の写真じゃないみたいです。
2013年 最強台風の爪痕~フィリピンを直撃~ 写真特集(時事ドットコム) - 自動車サイズの物体が、100m以上もミサイルのように飛んで行ったという・・・。
フィリピンを直撃した台風30号「ハイヤン」の凄まじさ(NEVERまとめ)
フィリピンは日本より南にあるため、地理的には巨大な台風が上陸しやすい環境にあると考えられます。
今はまだ「遠い海の向こうの話」かも知れませんが、これからますます地球温暖化が進めば、近い将来、同じような規模の台風が日本にも上陸する可能性だってありますよね。だって、年々海水温度が上がっているんだから。
その兆候が、この数年の間に何度も耳にした「超大型の台風が勢力を拡大しながら」という台風だとしたら・・・。
まとめ
超大型の台風は、地球温暖化が進む限り、当たり前のように日本に上陸し続けます。それどころか、もっと勢力が強くなっていくはずです。
では、日本を襲う強大な台風からどのように自分の身を守ればいいのか。
1番大切なのは「台風をナメない」ということでしょう。
知り合いの高知県出身者は「台風が来ると県民のテンションが上がんだよねー」などと言って本人もワクワクしています。雨風が強くなると「ウヒョー」と叫んでます。
台風の時に、大荒れの海を見に行って亡くなる人が後を絶たないのは、テンションが上がった結果なのでしょうか。
覚せい剤 ダメ絶対!
いじめ ダメ絶対!!
台風でウヒョー ダメ絶対!!!
フィリピンの台風損害を見る限り、あれだけの台風が上陸するようになったら、自宅待機しててもダメかもしれません。台風が来たら、県をまたいで避難しなくてはいけないように思います。
台風は地震と異なり、大体いつ来るのかがわかります。来るのが分かってるんだから、ちゃんと逃げる。これが大切。
でもね、いざって時に、どうしても避難することを拒んじゃうんですよね。だって、避難ってめんどくさいし、今がいざって時だという事ってその瞬間には気付かないから。
東日本大震災の時に、多くの人が学んだはずです。避難することをめんどくさがらない。それさえ出来れば、命を守ることだけなら難しくないはずです。
「避難めんどくせー」って思ったら、それがきっと避難の合図なんでしょうね。