こんにちは。地元の防災部に所属している斎藤です。
震災が起こると、体育館や公民館などで多くの方が生活をしている映像を見たことがあると思います。
あれって、
- 地震発生
- 非常用持ち出し袋などを持って避難
- 近所の学校の体育館へ
- 段ボールなどで生活空間の場所取り
こんな流れで避難出来ると思っていませんか?
現実はかなり違います。違いますぞー!!
実は地震後すぐに学校などに避難してきても、すぐさま体育館への避難はさせてもらえません。もちろん校舎も立ち入り禁止ぃー。
体育館に入れるようになるまで、何時間も待たされると思ってて下さい。勿論、決していじわるで入れてくれないのではありませんので「いつまで待たせるんだー」「建物は大丈夫じゃないかー」と怒鳴り散らさないで下さいね。後で恥をかくことにもなりますから。
では、何時間もの間、そこでは何が行われているのでしょうか?
応急危険度判定という、建物のトリアージ
避難所となる建物に避難出来るようになるまでに、その建物の地震による損傷度を調査し、避難所として開設しても良いかどうかの判定を行わなければなりません。これを「応急危険度判定」といいます。
応急危険度判定は応急危険度判定士という建築士などの資格を持った地元の人が、各自治体から任命をされて建物の危険度を3段階に分けて判定をしていきます。
判定をした建物には青、黄、赤のステッカーを貼り出します。
- 青-調査済:この建物は使用可能
- 黄-要注意:この建物に入る場合には十分注意が必要
- 赤-危険:この建物への立ち入りは禁止
赤紙を張られてしまうと、立ち入り禁止。
せっかく避難した避難所も、赤紙が貼られてしまったら、当然避難所としての利用は出来ません。
この応急危険度判定が終わるのに、学校や自治体は半日から1日位はかかると見込んでいます。
避難所に避難できるまでに必要なものとは?
応急危険度判定が終わるまで、数時間のことを少し想像してみてもらえますか? 地震が来る日はいったいどんな日なのか? と。
その日はもの凄い寒い日かもしれませんし、逆に暑い日かもしれません。台風が直撃している正にその時って事もあるかもしれません。
とすると、避難をする時にとっさに持ち出すべきものは何でしょうか? その時にみなさんの命を守るものはアルファ米・缶詰といった非常食でしょうか??
緊急で避難を開始する時に必要なのは、食事よりもまずは安全に避難出来るための物であるはずです。懐中電灯やヘルメット、マスクや目を守るゴーグル。寒さをしのぐアウターや雨具やタオル。そして水がまずもって必要になるものではないですか?
「震災に備える」=「非常食の準備」だと持っている人があまりにも多すぎます。食事は、地震による建物の倒壊や、大規模火災、津波を逃げ延びてから初めて必要になるものです。そう考えると、決して優先順位では高い理由がありませんよね。
まずは、自分や家族が安全に避難出来るための物から用意をする事が重要なんですね。
まとめ
- 応急危険度判定と呼ばれる建物のトリアージが終わるまで、避難所には入れない
- 非常用持ち出し袋には、避難所に避難するまでの時間を生き延びるために必要な物に用意する
非常用持ち出し袋にどのようなモノを用意したらいいのか? それについては、これから未来防災課で検証していきます。未来防災課を読んでいてもらえれば、必ず役立つ非常用持ち出し袋が完成できるような情報を発信していきますーー。