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2020.11.06 目黒区の碑小学校に避難所運営協議会を立ち上げよう【第8章】~設立総会~

未来防災課の斎藤です。こんにちは。

私はここ数年、目黒区碑文谷にある碑小学校に「避難所運営協議会」を立ち上げるべく活動して参りましたが、2020年1月、ついに設立総会を行うまでに漕ぎつけました!

設立総会とは、7回もの準備会を経て決めた「会則」と「役員」の是非を問うための総会です。その2つが可決承認されれば、いよいよ、ついに、ようやく、避難所運営協議会が発足されることになります。

総会は、想像していた以上の近隣住民の皆さまに参加して頂きました。さて、どのような総会だったのか、共有してみたいと思います。

▼目次

  1. 総会の流れ
  2. 情報共有について懸念の声
  3. 浮かび上がったマンション住民と町会・自治会の溝
  4. 承認・避難所運営協議会の発足
  5. 避難所運営協議会を立ち上げるまでの手順(まとめ)

総会の流れ

設立総会はこのような流れで進めることになっていました。

  1. 開会
  2. 挨拶 目黒区危機管理室長
  3. 避難所運営協議会について
  4. 碑住区エリアでのこれまでの経緯について(ボクが担当)
  5. 避難所運営協議会 会則(準備会案)について
  6. 組織体制図(準備会案)について
  7. 今後の活動予定について
  8. 閉会

プログラム5番の会則と6番の組織体制、それぞれ説明後に質疑応答をし、会則と組織体制について承認を頂く。そして、7番の今後の活動予定について説明をする。

そのような流れでしたが、予想外に5番の会則の質疑応答でかなり場が荒れました。

情報共有について懸念の声

プログラム5番の会則の是非を問う段階で、早速、参加者から質問がありました。

それは、災害時に重要となる課題の1つ。情報共有の方法についてです。

今も昔も、町会や自治会の情報共有の主な方法は「回覧板」と「掲示板」です。(主なというか、もうほぼそれしかないとも言えるんだけども・・・)その他には、区報を使って広報活動を行うこともあります。いずれにしても、紙を回すか貼りだすか配るか。紙媒体での広報活動がほとんどを占めています。

以前の記事でも書きましたが、私は若者が町の掲示板を見ている姿をほぼ見たことがありません。(以前の記事→若者は防災に興味が無い! は本当に正しいのか?

私自身、賃貸マンションに住んでいた当時は、回覧板は回ってこないし、掲示板も見たこともありません。区報も届きませんし、どこかに貰いにいくこともしません。

そんな感じだったので、地元の情報はほとんど入ってこない状態でした。

これが、ひとたび町会の役員になった途端に、急激に地元の人達とつながり、たくさんの情報が入ってくるように変わりました。

町会や自治会の役員内ではさまざまな情報があるのに、その地域に住む住民には行きわたらない。地域のコミュニティーには、そのような問題があると感じていました。それが今回、同じように感じている住民の方から、率直な不安を投げ掛けられたのだと思います。

情報共有の方法については、これから協議会を進めていく中でも特に重要な課題になっていくであろう事を、改めて感じる事になりました。

浮かび上がったマンション住民と町会・自治会の溝

避難所運営協議会の「会則」についての質疑応答の時間では、地元住民からの質問はそれとは無関係の質問がほとんどでした。

実際にどのような質問があったのか? と言うと、

  • 町会と自治会って何ですか?
  • 町会費支払ってますけど、町会は何をしてくれるんですか?
  • 町会と自治体、なぜ2つの組織があるのですか?

このような意見は、特にマンションの管理組合の方からの意見です。

最終的には「町会なんて無くしちゃえばいい」といった、結構突き抜けた意見まで。

避難所運営協議会とは無関係の意見のように聞こえますが、協議会の主要なメンバーは町会と自治会の役員がほとんど。つまり、防災のような全ての人に重要な問題を、何で仲間内だけでよろしくやってんだ!? と不安に感じたのかもしれません。

これに関しては、正直そう思われても仕方がないと思っています。やはり、情報の発信方法がとても閉鎖的なのは紛れもない事実ですから。

特に、町会の広報の方法だと、マンション住民に情報がいきわたりにくいのは理解していました。私も町会の防災役員として活動してきましたが、マンション住民とどうやって繋がればいいのか? は悩みの種でした。繋がりたくても、こちら側もとっかかりが無いのです。

仕事なら飛び込み営業でもすれば良いですが、ボランティアでそこまでなかなか出来ないよねぇ、、、ってのも本音ですかね。

ですから、このような意見はとても参考になりました。いかに、この2つの組織に所属しない人をメンバーに入れていくのか、それがとても大切なことだと感じることもできました。

マンション住民の皆さんの意見も町会・自治会側の意見もどちらも間違いではないのです。

「違いは違いであって、間違いではない」

避難所運営協議会こそ、多様性を受け止められなければならない組織なのでしょうね。

承認・避難所運営協議会の発足

予想外な方向に荒れはしましたが、肝心の会則と役員についてはすんなり承認を得られました。

アンケートを配り、一緒にマニュアル作りをして下さる人を募ったら、数人、協力を頂けると書いて下さりました。

こんな総会を経て、遂に避難所運営協議会は発足されました。

はぁ、良かった。。。

避難所運営協議会を立ち上げるまでの手順(まとめ)

  1. まずは地元の防災課に電話し、資料を貰う
  2. 地元で既に同じ活動をしていそうな人を探す
  3. 活動している組織から、運営方法を学ぶ
  4. 仲間集めは行政に頼る
  5. 会長の選任(安易に決めないように!)
  6. 副会長・事務局長・事務局の選任(充て職も活用しよう)
  7. 会則づくりは大切な上に、一筋縄にはいかない(かも)
  8. 総会を経て、避難所運営協議会を発足させる。質疑応答は予想外の展開で荒れる。地元の組織に所属していない人の感覚は大切にしよう

避難所運営用議会の発足までの一連の流れは以上です。

これから発足を目指す組織の参考になればと思い、記録を残しました。

防災のリアルにおける「避難所運営協議会を立ち上げよう」編はこれにて「完」

次回からは、避難所運営協議会の運営編を書いていきたいと思います。

斎藤啓之

執筆者:斎藤啓之

1980年生まれ
両親の出逢いはテニスコート。男3人兄弟の長男で、3世代で暮らし、友だちから「サザエさんのウチみたい」だと言われるような家庭で育つ。
料理は全く出来ないが調理師免許を持っており、味噌が変わると判る味覚をもつ。
剣道の有段者なので、棒で人を叩くと逮捕される。
趣味は、高3の秋から始めた野球。甲子園を目指したことの無い野球人。
ほとんどの人にA型?と聞かれるO型。

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