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2015.06.11 誰かに任せっぱなしで大丈夫?|防災倉庫から、町の防災力を考える

ども。地元の防災部副部長のさいとうです。

みなさんの中に、地震が来たら、誰かが火を消したり、倒壊した家屋からケガ人を救助して、避難所に行けば段ボールが敷いてあって、毛布が渡され、不味いけど何かしら食べられる。なんて思っている方はいらっしゃいますか??

果たして、みなさんの町の防災力でそんなことが可能なのか!?を探るべく「防災のリアル」では、私が実際に地元の防災部に所属して、町の防災の実態をレポートしています。

今回は「防災倉庫」を題材に、町の防災力について検証していきたいと思います。

はて、防災倉庫ってどこにあるの? そう思う人もいるかも知れません。大抵は小中学校の隅っこや、神社、公園に設置されています。

「そう言われてみれば、何かあったような・・・。うむむ・・・。」

そう、それが防災倉庫! 普段は全く不要なもの。

でも、災害時にはちゃんと活用しないといけません。ということで今回は、防災倉庫と言う名のパンドラの倉庫を開けてみましょう!

実態は如何に!?

防災倉庫には何が入っているの??

防災倉庫の中には、どんなものがあるのでしょう?

これは、学校などの避難所にある防災倉庫と、町会が管理する防災倉庫では異なっています。

【学校の防災倉庫

主に、避難所を運営していくのに必要な物資が揃っている

  • 毛布
  • 非常食
  • 発電機
  • 投光器
  • 非常用トイレ など

【町会の防災倉庫】

主に、災害時に人を救助するために必要なものが揃っている

  • 消火用ポンプ
  • 担架
  • バール
  • ジャッキ
  • バケツ
  • ロープ など

区の防災課に確認をとってみると、小中学校の防災倉庫は区や市などが準備をして、町会の倉庫は町会独自で準備をしているとのこと。裏を返せば、町会の倉庫には区は関与してないよ~ってことになります。

おや?

だとすると、町会によってあるもの、無いものがまちまちってことになりそうですね。どの町会も、ちゃんと揃えられているのでしょうか?

おやおや??

町会の防災倉庫には、基本的に「火を消すもの」、「建物の下敷きになった人を救うもの」、「救った人を運ぶもの」、「一連の作業にあたるのに必要なもの」が揃っていることが理想です。

ちなみに私の所属している町会は? と言いますと、品ぞろえはなかなかだと思いますが、数が圧倒的に足りてないかなぁ、、。という状態で、「取りあえず、揃えました」感がプンプン。

おやおやおや???

数が足りないんじゃ、実際に震災がきたらめちゃくちゃ困ることは明白。なぜ、このままなのでしょう?

問題は現状がダメなことに誰も気づいていないこと

私の町会の役員は60代以上の方がほとんどを占めています。私のような30代は稀。若い人が入って来ないから、ずっと同じ人が役員を続けてくれています。

年の功とは言いますが、都内の場合、何十年も前から役員をしていても、実際に被災して避難所生活の経験をした町会役員さんってほぼいないはず。

ということは、実際に災害が来た時の経験値は全員ほぼゼロ

なのに、何となくの防災の方法が続いてきてるから、誰も疑問に思っていないことっていっぱいあるんです。

例えば、ウチの町会では防災倉庫の中にたくさんの段ボールが積まれていて、いろんな道具が置いてあったのですが、

  • どの段ボールに何が入っているか開けないと分からない
  • 緊急性の高いものが一番下に置かれてる
  • そもそも、コレなに??

みたいな状態なんです。

なのに、用品が揃っている風だから、備えている気になっていると・・・。

さらに、

町会という単位でも、何百世帯が集まっています。何百もの家族を守るのに、チェーンソーは1台。バールは5本。防塵用マスクは10枚。とかじゃ、圧倒的に足りないのが現状。

じゃあ、買えば良いじゃん!!

なんですが、これがなかなか・・・。

と言うのも、防災用品を入れる防災倉庫、それほど大きくありません。しまう場所も問題になります。

そして何より、町会費は年間の予算が決まっており、災害用品を必要なだけ購入するにはまったく足りないという現状もあります。

だからみなさん! 町会費払いましょー!!

って話しではなく(実際、払ってくれると助かりますが・・・)、みなさんが頼りにしていたかもしれない町会の防災力なんて、ほぼゼロに近いんですよってお話しです。残念ですが。

きっと、多くの人が非常用持ち出し袋の用意は出来ていません。町会も同じようにちゃんと防災なんて出来ていないんです。だって、出来ない人が集まってるだけなんだから。

なので、みなさん。決して、町会の防災力に命を預けないで下さい。自分の命は自分で守る。これが鉄則!!

防災倉庫ひとつ見るだけでも、町会にはまともな防災力は無いことがわかって頂けましたでしょうか?

この現状、変わるといいですね。変えていかないといけませんね。

まとめ

防災は、準備と活用の両面で備えなければいけません。

ですが、ほとんどの人が未経験なので、大切な事が抜け落ちているのが町の防災(=共助)の現状だと思います。

準備も中途半端ですし、活用の仕方はほとんどの人が理解していない状態。残念ですが、それに頼るのは危険だと言わざるをえません。

それに、未経験者が準備しているんです。みなさんの町の防災倉庫には、本当に必要なもの全部が揃っているでしょうか?

疑問に感じる必要はありません。絶対にちゃんと揃ってなんかいませんから。

「こんな事なら、ちゃんと自分たちで備えておけばよかった・・・」

地元の防災力(共助)に頼りきると、きっとこうなりますのでお気を付けください。

斎藤啓之

執筆者:斎藤啓之

1980年生まれ
両親の出逢いはテニスコート。男3人兄弟の長男で、3世代で暮らし、友だちから「サザエさんのウチみたい」だと言われるような家庭で育つ。
料理は全く出来ないが調理師免許を持っており、味噌が変わると判る味覚をもつ。
剣道の有段者なので、棒で人を叩くと逮捕される。
趣味は、高3の秋から始めた野球。甲子園を目指したことの無い野球人。
ほとんどの人にA型?と聞かれるO型。

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