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2017.09.28 トンチンカンな防災をアップデート|戸建てとマンションの被害の違い 命を守るポイントとは?

こんにちは。未来防災課のさいとうです。

「地震だ! 火を消せ!!」

じつは、この防災の方法は間違っているんです!!

といった記事を以前に書きました。(過去の記事→知らなければ家が燃えちゃう? 地震で発生する火事の原因はキッチンじゃなかった!?

小さな頃から聞かされてきた防災のやり方は、今となってはトンチンカンなものってけっこう多いんです。

それは、なぜか!?

答えは、「生活スタイルや文化が大きく変わったから」

建物で考えると、昔は木造の一戸建てや長屋に住む人がほとんど。マンションなんてありません。

なのに、今も言われ続けている防災は関東大震災の時の教訓がほとんど。いつまでも古い防災をしていていいのでしょうか??

防災も平成バージョンにアップデートしなきゃなはず!いつまでも大正時代のまんまじゃ、ダメよー、ダメダメ!(これも古いか)

いろいろと考えなきゃいけない項目はありますが、まずは、戸建てとマンションの被害の違いについて考えていきまっしょー!

マンションと戸建ての被害の違い

マンションと戸建て。それぞれ、どのような被害が出やすいのでしょうか?

マンション

  • 倒壊のリスクは低く、液状化の影響を受けにくい
  • 排水管が壊れるリスクが高い
  • 上層階になるほど、家具・家電が散乱する
  • エレベーターがしばらく利用できない
  • 建物自体の被害が少ないので、避難所ではなく自宅に留まる事を期待されている
  • スプリンクラーの誤作動や配管に亀裂が入ることで、部屋中が水浸しになる恐れあり

戸建て

  • 倒壊の危険や大きな被害を受ける可能性が大
  • 液状化の被害を大きく受ける
  • 余震が来るたびに、倒壊する心配を抱える
  • 地震後に自宅での生活が難しく、避難所での生活を余儀なくされる可能性が大

違いを挙げればキリがありませんが、同じ地震でも建物によって被害は変わってきます。当然、その対策や地震後の対応も異なりますよね。

比べてみると、マンションは倒壊のリスクは小さいと考えられますが、だからと言って絶対に安全とは言えない理由があります。

マンションと戸建て それぞれの命の守り方

マンションと戸建てでは地震の被害が大きく異なります。それぞれの特徴を考えると、命を守るためには、当然、異なった備え方が必要になってきます。

それぞれの備え方は、防災の本を参考にすると次のように書かれています。

マンション

  1. 家具を固定する
  2. 背の高い家具を置かない
  3. 避難の動線をふさぐ場所に家具を置かない など

マンションは建物の倒壊のリスクに備えるよりも、室内を安全にすることが大切です。特に高層階になるほど揺れが大きくなり、ものすごい力によって家具が飛ばされます。

テレビやレンジが飛んできたって話、聞いたことありますよね。どうやら、盛ってるんじゃなくて、ホントの話しらしいんです。

小さな装飾品から、テレビ・冷蔵庫といった大型家電まで、ありとあらゆる物が飛ばされ、床に落ち、割れて、部屋中が散乱します。

飛んできたテレビに当たり、倒れてきた冷蔵庫に潰されては、無事では済まされません。とくに小さなお子さんや年配者は。

マンションでは、自分の所有している家具や家電などが凶器となることをしっかりと理解して、その部屋から安全に外に避難できるような対策をとっておきましょう!!

戸建て

  1. 寝室は1階にしない
  2. 1階にいるときに揺れを感じたら、すぐに外に避難する
  3. 古い建物は耐震工事をしておく など

戸建ても家具の固定はマンション同様に重要ですが、まずは倒壊に備えなければなりません。建物が倒壊した時のリスクを最小限にすることが重要です!

とはいえ、戸建ての対策2。「揺れを感じたらすぐに外に避難」これは、防災の本としては正解かもしれませんが、現実的かどうか怪しいもんです。

理由は、

大規模な地震でも、初期微動が先にきて、しだいに大きな揺れが来ることはご存じですよね。(とはいっても、震源地が近ければほぼ同時にきますが・・・)

防災本には、「初期微動を感じたら揺れが強くなる前に外に避難しろ」ってことが平気で書かれています。でも、これは実際ムリ。

だって、「地震かも!?」って感じた瞬間、みなさんどうします?

この地震がこのあと大きくなるのか、そのまま終わるのか、動きを止めてようすを伺いませんか? 揺れが大きくなるなら机の下に潜り込むけど、そのままなら特に何もしない。そんな感じですよね?

じつは、人間に備わってる心理的なセンサーが「きっと大丈夫」と反応するようになっているので、初期微動の時点で避難しろってのは、かなりムリがあるんですー。

揺れ始めでの避難はムリ。人間だもの。   さいとを

「どんなに小さな地震でも、まずその瞬間に安全な場所に避難を開始する!」 これをルール化して、徹底して実践する以外、対策2を実行することはおそらく不可能です。。(ただ、これをやったらかなり安全度は高いです)

戸建ての対策3も、費用がかなりかかるので、簡単に対策できるものではありませんね。

まず、変えられるのであれば、寝室を2階以上に移すことからはじめてみましょう。(コレはコレでハードルが高い。。)

まとめ

マンションの防災のポイント

  • テレビ、冷蔵庫など重たい物を固定する
  • 腰より高い家具を控える(置く場合はL字金具などで固定)
  • 倒れた時に避難経路をふさぐ場所に家具を置かない
  • 割れ物は極力飾らない
  • 履かなくなった靴を、室内に置いておく
  • ガラスに飛散防止フィルムを貼る

倒壊のおそれが低い分、対策は打ちやすいマンション。

まずは、倒れてきたり、飛んで来たら怖いと感じる家具の固定からはじめましょう。戸建ての人に比べて、対策はずっと簡単ですよね。

足をケガすると、避難が難しくなり事態は深刻になります。室内にいる時点から靴を履いて、避難を開始できるような備えも重要です。

戸建ての防災ポイント

  • 寝室を2階以上に移す
  • 家が倒壊しても、必要な物が取り出せるように、非常用袋を最上階や屋根裏にも用意する
  • お金を貯めて耐震工事(←お金がかかりますが、結果、お金で命が買えることになるかも)

とにかく大事なのは、倒壊させないこと。

その次は倒壊しても死なないこと。

マンションより圧倒的に対策が大変ですが、助かってしまえばその後の生活再建はマンションより良い面もありますので、まずは助かる事に全力を注いでほしいところです。

誤った防災をいくら進めても、効果的ではありません。

防災などという七面倒くさいことをするのであれば、効果的な方がいいですよね。

昔から伝えられているだけの防災に疑問を抱きながら、みなさんの生活にあった備えを進めてください。未来防災課も、それができるような記事を書いていきます。

命の守り方だけでも大きく異なるマンションと戸建て。被災した後、生活を立て直していく過程も大きく異なるはずです。

次回以降、そのあたりの防災の手法にもスポットライトをあてていきたいと思います。

斎藤啓之

執筆者:斎藤啓之

1980年生まれ
両親の出逢いはテニスコート。男3人兄弟の長男で、3世代で暮らし、友だちから「サザエさんのウチみたい」だと言われるような家庭で育つ。
料理は全く出来ないが調理師免許を持っており、味噌が変わると判る味覚をもつ。
剣道の有段者なので、棒で人を叩くと逮捕される。
趣味は、高3の秋から始めた野球。甲子園を目指したことの無い野球人。
ほとんどの人にA型?と聞かれるO型。

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