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2017.05.25 【帰宅困難者にならない為に】東急電鉄の震災ハンドブックには、緊急停車後から運行再開までの基準がはっきりと書いてあった!

みなさんこんにちは。未来防災課のさいとうです。

東日本大震災、東京に大きな人的被害はありませんでしたが、帰宅困難者という二次災害が発生する事を思い知らされました。

帰宅困難者が発生した最大の理由は、電車が完全にマヒしたから。

確かに経験をした事の無いような大きな地震でしたが、まさか電車が1日中不通になるとは想像もしていませんでした。(夜には運転再開した路線もありましたね)

しかし、東急電鉄の震災ハンドブックを読むと、電車がマヒした理由がしっかり書いてありました。

それはどんな基準なのか? レッツ指さし確認!!

震度によって異なる運行基準

東急電鉄の震災ハンドブックを見ると、震災が起きた時の様々な対応方法が記載されているのですが、その中でも、地震後の運行について記されているページには、はっきりと運行基準が書いてあります。

電車の停車

【震度4以上】

全線で緊急停止。

運行再開

【震度4】(震度1~3の場合には、通常運行)

ゆっくり走って安全確認後、問題が無ければ通常運転へ。

【震度5弱】

本部からの運転再開の指示を待つ。安全確認が出来次第「注意運転」で運転再開。
※注意運転とは、徐行運転よりもはるかに遅い、いつでも直ぐに停車出来るスピードでの運行の事

【震度5強】

線路などに異常が無いか、全線を職員が徒歩にて点検。数時間後、安全が確認出来次第運転再開となるが、5分間低速で運行し、安全確認が取れた後、運転再開。

東急線内に設置してある地震計の最大震度を基準に、全線で対応するようです。

震度計のどれか1つでも震度5強以上を計測すると、全ての地点で徒歩による点検が終わるまで運行再開されないとの事。さらっと書いてあるけど、駅員さんたち大変なんですね。

電車の運行は安全第一だから、何時間も不通になる事はちゃんと理解しましょう。もう、「何分後に運転再開するんだ!」なんて、詰め寄らないでね絶対。

東急電鉄以外はどうなのか?

東急電鉄だけ知ってても家に帰れないので、他の鉄道会社にも明確な基準があるのか聞いてみました!

地震による停車に関しては、回答してくれた鉄道会社のすべてが震度4以上でした。

運行再開の基準は、会社ごとに異なりました。

JR

社内マニュアルはあるが開示していない。

東京メトロ

【震度4】

注意運転で次の駅まで運行する。

【震度5弱以上】

運行停止。歩行点検を行い、安全確認後に注意運転で再開。

都営地下鉄

【震度4】

指令所からの指示により徐行運転で運行。

【震度5弱】

「最徐行運転」で次の駅まで運行し、乗客を降車させ点検を行う。点検後は、徐行運転と最徐行運転の中間の速度で運転再開。
※最徐行運転とは、注意運転と同義でいつでも直ぐに止まれる速度での運行

【震度5強】

震度5強を観測した地点の全てのレールを目視で点検する。安全確認後は、徐行運転と最徐行運転の中間の速度で運転再開。

※都営地下鉄は16か所に地震計を取り付けており、地震計の震度を基に、全線では無く、地域ごとに対応するとの事

西武鉄道

【震度5弱以下】

注意運転で運行。

【震度5強以上】

全線の安全確認後に運転再開。

京王電鉄

判断の基準は特に無いが、乗務員の判断と指令所からの指示により運行を再開する。

京成電鉄

社内規定の為、公表できない。


注意運転や最徐行運転というのは、一つ前を運行している電車まで行い、それ以降は不要なのだそうです。

どの車両も一つ前を運行していた電車までの線路に問題無ければ、即ち全区域の線路が問題無いからだって。驚嘆です。電話で「確かにぃぃ」って唸りました。個人的に、今年1番納得したお話し。

まとめ

3.11の地震は東京でも震度5強。なかなか電車が運転再開されなかったのは、歩行点検を行い、全ての線路を確認していたからだったのです。

この基準から考えると、震度5強以上なら早々に帰宅を諦めて、より安全に快適に時間を送れる場所に避難する方が良さそうですよね。

とは言え、次に関東を襲う地震は「何とか帰宅しよう!」なんて悠長なことを言える程度の地震とは限りませんからご注意下さい。

震度6弱以上が来たら、「家に帰る」じゃなくて、本気で命を守る事だけ考えて行動して下さいね。

因みに、都営バスの運行は、警察の指導により決めるようです。なので、事前には分かりません。残念。

鉄道会社のように、震災時の基準をはっきりと明言出来る企業と言うのは、それだけ災害対応に強い会社とも言えます。震度に応じて、全ての社員がどの様な判断の基に行動すれば良いのか、すぐに分かるんですから。

果たして、自分が勤めている会社には明確な基準が決まっている事がどれだけあるのか・・・。気になりますよね~。

みなさんの会社は、震度いくつ以上なら営業先から帰社しなくて良いのでしょうか? こーゆー事って、地震の後じゃ電話が繋がらなくて確認出来ないので、事前に知っておきたいところです。

これに関しては、あなたが知らない時点で、会社で決まっていない事だと思いましょう。まぁ、もし決まっていても形だけって事ですね・・・。

このままで当日を迎えたら、絶対混乱しちゃいます。会社のルールってどうしたら良いのでしょうか? 鉄道会社を見習った方が良い会社、たくさんありそうです。

防災とは関係ないけど、お問合せ番号に電話して、英語でのアナウンスが流れたのは西武鉄道だけでした。ホスピタリティやー。普段、あまり乗る機会無いけど、何故か乗ってみたくなりました。

あ、そうそう。今の電車って、異なる会社どうしで乗り入れしてますが、その場合の基準は、電車がある場所のある会社のルールに則るそうです。

例えば、半蔵門線と田園都市線なら、渋谷より表参道側ならメトロのルール。渋谷より三軒茶屋側なら東急のルールで運行するんだそうです。こんな事も頭の片隅にあれば役立つかもしれません。

斎藤啓之

執筆者:斎藤啓之

1980年生まれ
両親の出逢いはテニスコート。男3人兄弟の長男で、3世代で暮らし、友だちから「サザエさんのウチみたい」だと言われるような家庭で育つ。
料理は全く出来ないが調理師免許を持っており、味噌が変わると判る味覚をもつ。
剣道の有段者なので、棒で人を叩くと逮捕される。
趣味は、高3の秋から始めた野球。甲子園を目指したことの無い野球人。
ほとんどの人にA型?と聞かれるO型。

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