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2017.06.01 未来防災課より「熊本地震の教訓を活かした、避難方法のご提案」|避難所以外への避難のススメ

こんにちは、未来防災課のさいとうです。

以前、平成28年熊本地震から学んだことをまとめた記事(熊本地震から学んだ「地震後の被災地を襲う、重大な4つの問題点」とは)にも書いた通り、ひとたび大きな地震が発生すると・・・

  1. 避難生活中に、ストレスや衰弱、エコノミークラス症候群などによる災害関連死による死者数が増える
  2. 18万人が避難した熊本地震では、1週間もまともに物資が届かなかった。首都直下や南海トラフの場合には、被災者数が莫大になるので、きっと更に届かない
  3. 熊本では、最初の揺れの後から震度5弱以上の余震が20回以上もあり、いつ自宅や避難所が倒壊するか分からない不安を抱えながらの生活が続いた
  4. 大きな揺れの後に、更に大きな地震(本震)が来るかも知れないことにもおびえながらの生活になる

このような問題が生まれます。

これは、次にどこかで大地震が起きてもきっと同じ。

これが少しでも改善されれば、避難生活も大きく変わるはずです。

そこで今回は、未来防災課から大地震にあった際の避難方法について提案してみたいと思います。

未来防災課が提案する避難方法とは?

大地震が発生し、自分の安全が確保できたら、みなさんはきっと真っ先に家族の安否確認をするはずです。

家族が全員揃うまでは、とにかく家族との再会が第一優先。最近は、SNSを利用する事で、昔より格段に家族の安否確認がしやすくなりました。 
(※震災時のSNSの活用方法はコチラ→LINEの既読マークは災害時のため!?  災害時のホットラインとして作られたLINEの使い方を知っておこう

では、SNSを駆使して家族全員が無事に再会できたら、次は避難生活です。

ここで、未来防災課からのご提案デス! 被災をして、家族全員が無事に再会できたら、

1~2週間ほど、家族全員で遠くに避難する!!

遠くとは、余震の心配がないくらいの距離だとお考えください。関東が被災したのなら北陸とか東北とか中部地方でもいいと思います。

この避難を考えるに至ったのは、熊本地震のあと、多くの被災者が大型スーパーや学校の校庭などに車を並べて車中泊避難をしていたから。

せっかく、車で避難出来たのに、どうして余震の続く被災地にとどまるんだろう? と思ったのがきっかけです。

車で避難するなら、大きな余震から家族を守れるところまで移動しちゃえば、きっとそこでは水も食べ物も当たり前のように手に入るはず。

遠くまで避難をする!! この方法自体は不可能ではないと思いませんか?

しかし、過去にこの話をしたところ、実際にいくつかの反論をされたことがあります。

  • 道が寸断されてるでしょ?
  • 泊めてもらえる親戚がいないから・・・
  • (ご近所の人を置いて)自分たちだけ避難できないよ
  • 家を片付けなきゃ
  • 着る物がない
  • 泥棒に入られるのが心配
  • そんなお金がない

ここに挙げたものって、避難をあきらめるほど深刻な問題でしょうか?

道が寸断されている

確かに道路の多くは寸断されているかもしれません。しかし、メディアなどが現地に入れるなら、決して全ての道が寸断されているわけではありません。すなわち出られるってことです。すんなりと避難はできないかも知れませんが、諦めるほどの理由にはなりません。

泊めてもらえる親戚がいない

親戚がいなかったら、ビジネスホテルに泊まってみてはどうでしょうか?お金はかかりますが、食事もとれますし、お風呂に入れて、ベッドでぐっすり眠れます。民泊の宿だって増えてますし、被災地から離れれば、きっとどこかには泊まれるはずです。

自分たちだけ避難できない

「ご近所さんを差し置いて、自分たちだけ避難出来ない」と感じるのは日本人の素晴らしいところだと思います。でも、遠方に避難できる人が留まることで、逆に避難所は混雑するし、物資の分け前が減るのも事実。ひょっとすると、遠方に避難できない理由がある人(まだ家族を探しているなど)からすれば、避難してもらったほうが助かるのでは・・・?

家の片付け

いくら片付けても、残念がら余震でまた散らかります。

着る物がない

着替えを家に取りに帰らなきゃと思いがちですが、遠方まで避難すれば、普通に買えます。

泥棒に入られるのが心配

東日本大震災の時も、どこからともなく窃盗団が表れ金品を盗んで行ったと聞きました。現場が混乱している隙に、盗みを働く。これがプロの仕業だとすると、地元に残っていれば防げるものでもないかもしれません。 自宅にもの凄い大金を貯め込んでいるとすれば躊躇してしまうのも分かりますが、命を守ることが優先です。そもそも、命を懸けてまで守りたいだけの大金を自宅に貯め込んでいる人は、きっとごく僅か。ほとんどの人は避難できるはずです。よね?

そんなお金がない

お金がない。先程の話と反対の事を心配する人ももちろんいます。 震災は命にかかわる事態です。ここでお金を使わなかったら、一体いつ使うのでしょうか? 本当にお金がないなら、今からでも貯めましょう。災害の時以外にもきっと役に立つはずです。

震災という緊急時。できない理由を探すより、どうすれば安全に生活ができるかに焦点をあてて考え、行動することが重要ではないでしょうか。

ホリエモンって避難所に行くのかな?

極端な例ですが、想像してみてください。

例えば、東京でホリエモンが被災したら、学校などの避難所に避難するでしょうか?

正確には分かりませんが、ボクには想像できません。きっと、しばらくの間、どこかに生活の拠点を移すように思うのです。

では、私たちはなぜ、余震におびえながら避難所で生活をすることを選ぶのでしょうか?

ホリエモンはお金持ちだから、どこにでも行けるけど・・・。それはそうかもしれませんが、1~2週間程度ビジネスホテルで過ごす位のお金なら、多くの人が持ち合わせているはずです。

被災者という固定概念

一度、被災者になってしまうと、なかなか普段通りの生活には戻れません。

物理的にもですが、精神的に被災者になることが大きな問題だと思っています。

日常、私たちはいろいろな選択をして生きています。例えば、今日のランチはドコで食べようかなぁ? って普段は考えますが、地震の被災者になってしまうとまず考えません。なぜなら、非常事態の真っただ中で、そのような選択肢があるように思えないからです。

  • 被災をしたら、物資をもらう。
  • 被災をしたら、避難所で生活する。
  • 被災をしたら、いろいろ我慢しなくちゃいけない。

ただ漠然と、被災をした後の生活ってこういうものだと思っていませんか?

実は、これだって知らず知らずのうちに選択をしているのではないでしょうか? 本当は選択肢がないのではなく、無意識の内にステレオタイプな避難生活をする選択をしてしまっているのかもしれません。

もちろん、どうしたって遠くに避難できない人もいます。もったいないのは、遠くに避難できるのに、それに気付いていないだけの人が多くいるのではないか? ということです。

ここは日本です。地震で大きな都市が壊滅状態になったとしても、そこから離れれば、結構まともな生活は送れるはず。

必要なのは「お金と移動手段」。それだけ。

避難所で物資をもらいながら生活をすれば、お金はかかりません。でも、その生活は危険を伴います。それは、災害関連死の方が、直接死の3倍の人が亡くなるほどの危険です。

余震で亡くなった人。おさまると思っていたら、本震が来て亡くなった人が熊本にはたくさんいるんです。

それなら、そんな危険な場所から離れる。これが一番の防災ではないでしょうか?

自分は被災者だから、きっと誰かが助けてくれる。そう思ってしまったら、自分の足で立ち上がり、動き出すまで時間がかかってしまう。

ホリエモンはきっとそうは考えない。だから、避難所には行かずに、自分でお金を払って安全な場所に避難をするのではないでしょうか?

避難出来る為に必要なこと

重要なのはガソリン! つい先日ENEOSでガソリンをいれたら、レシートの裏にこんなメッセージが・・・。

東日本大震災の後は、東京でもガソリンを入れるのに長蛇の列でしたよね。そうです。地震が来るとガソリンは簡単に手に入りません。そのことを思い出して、面倒でもガソリンは常に半分以上でキープ出来たら最高です。

こまめにガソリンを入れるのが嫌な人は、東日本大震災の時に売り切れ続出で購入できなかった携行缶を今のうちに購入しておきましょう!

amazonで調べてみると、20リットル入る物が3,000円ほどで販売してます。

amazon携行缶2
抜粋:amazon公式ページ

例え自家用車が建物に潰されてしまっても、ガソリンさえ持っていれば、ガス欠で困っている人の車で一緒に逃げられるかも知れませんから、携行缶の購入を検討されてみてはどうでしょうか?

まとめ

被災後、家族全員と再会できたら、遠方に避難!!

地元の避難所は、まだそこから離れられない理由がある人の為の場所にして、移動できる人は遠方に避難! これが未来防災課の考える避難方法です。

将来発生が予想される南海トラフ巨大地震などの大災害で長期間帰宅できない場合、避難所ではなく「車中泊を選ぶ」とした人が1割以上いることが、和歌山県が実施した防災に関する県民意識調査で分かった。
引用:毎日新聞

この1割の人が遠方に避難をするだけで、大きな違いになると思うのです。

しかし、残念ながら行政は、車中泊避難ができる大型駐車場を事前に把握することなどに躍起になっています。

何故、避難所を被災地に作るのでしょうか?
何故、被災地に物を運ぼうとするのでしょうか?

被災地まで通行の出来る道路が分かれば、お金をつぎ込んでもバスを送り、バンバン遠方へ被災者を運ぶ。そして、そこに避難所を作ってみてはどうでしょうか?

その方が、物資も運びやすいし、何よりも安全です。国や行政には真剣に考えてもらいたいなぁと思っています。

熊本地震の時の状況を考えると、遠方に避難することに理由はいりません。反対に留まることにこそ理由があって然るべきだと思うのです。

とは言え、実際のところ私自身が大きな地震に遭遇したことが無いので、今日の提案は絵に描いた餅かもしれません。一つの可能性として、頭の片隅に入れておいて頂ければ幸いです。

斎藤啓之

執筆者:斎藤啓之

1980年生まれ
両親の出逢いはテニスコート。男3人兄弟の長男で、3世代で暮らし、友だちから「サザエさんのウチみたい」だと言われるような家庭で育つ。
料理は全く出来ないが調理師免許を持っており、味噌が変わると判る味覚をもつ。
剣道の有段者なので、棒で人を叩くと逮捕される。
趣味は、高3の秋から始めた野球。甲子園を目指したことの無い野球人。
ほとんどの人にA型?と聞かれるO型。

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