
こんにちは、未来防災課のさいとうです。
突然ですが「避難場所」と「避難所」の違いって知ってますか?
どちらも、災害時に避難するところだってことは、わかりますよね。
でも、この2つ、目的が全く異なるものなんです。
これを知らないと、震災に直面した時せっかく逃げたのに無事でいられなくなる可能性があります。最悪、死の危険に追いやられるかも知れません。
さて、どの様な違いがあるのでしょうか???
避難場所と避難所の明確な違いとは
避難場所
主に震災時に建物の倒壊や大規模延焼火災から身を守るために避難する場所。
大きな公園や大学のキャンパスなどが指定されている。
避難場所は、あくまでも避難をする場所であるため、水や食料の備蓄はありません。
延焼火災が発生したら、逃げ遅れないうちに、早めに避難場所に逃げることが◎
避難所
家屋が損壊し、自宅で生活が出来なくなった人たちや避難勧告を受けた地域の人たちが、一定期間避難生活を送る場所です。水や食料の備蓄もあります。主には小・中・公立高校などが指定されています。
避難所は、避難後に生活を行う場なんですね。
石原軍団などが炊き出しをやるのは、もちろん避難所。
身の安全を守るために避難する場所と、避難生活を送る場所。目的にはっきりとした違いがあるんです。
首都直下地震が起きた場合、最も多い死亡原因は火災
避難所だって、そこそこの広さがあるのに、わざわざ遠い避難場所まで逃げる必要あるの??って感じる方もいるかと思います。
それでは、国の有識者会議では首都直下地震が来た時に、どのような想定をしているのでしょうか??
首都直下地震の東京都の被害想定〈冬の夕方18時 風速8m/秒〉
死者数
建物倒壊:4,000人
急傾斜地崩壊:20人
火災:8,400人
ブロック塀などの転倒など:300人合計:約13,020人
死者数は、何と建物倒壊の倍以上の想定。
地震の揺れから身を守った後、すぐさま火災から身を守る為に、避難をしなくてはなりません。
では、どこに逃げたら、命を守れる可能性が高まるでしょうか?
もちろん避難所もある程度の広さがあるので他の場所よりは安全だと思います。ですが、地震で火災が発生した場合は、通常の火事と異なり満足に消火活動が出来ません。燃え広がり方はハンパじゃないはずです。
首都東京の直下地震では、800カ所以上から同時に火の手が上がると想定
直接炎や輻射熱に触れなくとも、数100m先まで飛んでいく「火の粉」が、新たな火災を誘発する
最新の研究では、風に乗った火の粉は700m以上も飛んでいき、新たな火種をつくりだす
火の粉の生んだ火種が建物を燃やすまでに要する時間は、わずか8分
火の粉が原因で火事になるまでが約8分程度だとすると、30分とかからないうちに、周りは火の海になるかもしれません。
火事で怖いのは、炎そのものだけではありません。
火事による熱にも注意が必要です。
ディズニーランドなどのショーで、まれに火柱が出るのありますよね。
あの時、結構な距離があるのに「アチッ」ってなったことありませんか?たった少しの火柱で、周りの温度が一瞬にして変わるほど、炎って凄い熱いんです。
一般的に、木造家屋の火災の燃焼温度は1200℃にもなり、3メートル離れた隣家が受ける温度は800℃を超えるそうです。
あなたが被災した場所の周りでも、いっせいに火の手が上がってしまうと、その日は数日間燃え続けるかも知れません。
そんな火災に巻き込まれたら、どんな事が想定出来るかというと・・・
気管や肺が熱傷し、
全身を火傷し、
一酸化炭素中毒になる、、、
恐ろしいこと盛り沢山です。
学校に逃げたは良いけど、周りを火に囲まれてしまったとしたら、運を天に任せるだけになってしまうかもしれません。
まとめ
避難場所→延焼被害などを避けるために、避難する場所
避難所→ 一定期間、避難生活を送る場所
首都直下地震での被害は、東日本大震災より、阪神淡路大震災に似て、火災による被害が大きくなると予測されています。
大地震が来て、揺れが収まったら、まずは地震火災を想定し、可能なら風向きや、火の手の位置を考慮しながら、なるべく広域な避難場所に逃げることが重要です。
さて、ここで質問です。
地震が来ました。周りを見回すと、数か所から煙が上がっています。
あなたは、避難場所と避難所、どちらに逃げますか?
答えを聞くまでもなく、決まってますよね。
では、もう一つ質問です。
地震が来ました。周りを見回すと、数か所から煙が上がっています。
あなたの家族、親戚、友人は、避難場所と避難所のどちらに逃げるでしょうか?
地震が来た時に、離れた場所にいる大切な人を守るために、今のうちから、地震が来た時にどうするか、正しい対策をご家族なので話し合ってみてはいかがでしょう。