未来防災課のさいとうです。こんにちは。
日に日に怖さが増している気がする北朝鮮、怖いですね。
前回は、Jアラートが鳴ってから、爆発・着弾するまでの行動について考えてみました。
今回は、爆発・着弾した後の行動について考えてみたいと思います。
弾道ミサイル=核兵器??
核兵器からの避難方法を考える前に、まずは、ミサイルの基本を押さえましょー。
それは「弾道ミサイル=核兵器」ではない。ということ!! それは、どういう事でしょうか?
北朝鮮が行っている実験を大きくわけると2種類あります。
- ミサイル発射実験
- 核実験(水爆実験??)
しょっちゅう耳にする「火星〇号」というのは、弾道ミサイルの名称です。テポドンとか、ノドンってのも一緒。にしても、火星〇号って聞くと、なんとな~くジュディマリを思い出してしまうのは、きっとボクだけじゃないはず。
「灰ばっかりの空をみている~」って、そういう意味じゃないよね??
さて、飛んできたミサイルが核兵器なのかどうかは、そのミサイルに積んでいる弾頭の種類によって変わります。
弾頭を荷物だとするならば、弾道ミサイルはそれを運ぶ車と考えて下さい。どんな兵器になるかは、荷物によって異なります。
弾頭は、
- 核→核兵器
- サリン・VXガス→化学兵器
- 炭疽菌・腸チフス→生物兵器
種類はたくさんあれど、北朝鮮から攻撃で気になるのはこんな具合。
どんな荷物が届くかは、車が来るまではフ・メ・イ♡
ミサイルが着弾してから行うこと
爆発から身を守ることに成功したら、そこから直ぐに避難してはいけません。避難の前に、情報収集をしてください。
とは言っても、きっと、なかなか情報は手に入らないと思います。でもそれは、簡単に情報が入らないほど重大なことが起きたということ。焦らず、落ち着いて、ラジオなどで情報収集を続けてください。
「爆心地」「弾頭の種類」「避難の方法」などを確認し、落ち着いて次の行動に移します。ここまでは、どんな弾頭でも同じ。
弾頭の違いで、次の行動が変わるので、弾頭の特定は確実に行いましょう!
核兵器だった場合の行動を明確に
今回は、核兵器だった場合を考えてみます。
さて、核兵器が爆発すると、どのような被害が出るのでしょうか?
総務省の資料を見てみると、
- 核爆発に伴う、熱風・爆風・初期核放射線が発生。短時間の間に、いたるところで火災が起き、爆風で建物が倒壊し、更に放射能汚染にさらされる
- 建築物や土壌が初期核放射線を吸収することで汚染される
- 死の灰(放射性降下物)が発生し、爆心地付近から降り始めて、風下方向に拡散・降下して広範囲が被ばくする
思い浮かべて下さい。イメージは「はだしのゲン」です。
核兵器による攻撃を受け、なんとか生き延びれた場合、その後はどう行動するべきなのでしょうか? 爆心地近くと爆心地から距離がある場合では異なるはずですので、分けて考えてみます。
爆心地近く
爆心地からの距離が近い場合は、熱線により発生した火災から避難しなければなりません。
屋外は高濃度の放射能汚染をしていると考えられますが、火に飲み込まれたら終わり。被ばくに注意を払いながら、爆心地の中心からすぐに離れることが重要です。
町がどこまで破壊されているのか想像できませんが、火災と放射能から身を守れる場所に避難を行うようにしましょう。
一番はやっぱり地下だと思いますが、地下がない場合にはとにかく爆心地から離れることになると思います。
そもそも、爆心地から近いかどうかの判断は、経験が無いのではっきりとはわかりませんが、爆風で窓ガラスが割れる距離なら近いと考えても良いのかな? と思っています。
爆心地から距離がある場合
距離が離れている場合、そこが屋内であれば24~48時間ほど立てこもって下さい。出来ることなら、換気扇を止め、窓に目張りをして、窓から離れた部屋で待機します。
核兵器の放射能は、爆発直後は高濃度の放射線を発生させますが、濃度が薄くなるまでの時間はさほど長くありません。
24時間で1/35に減衰し、約2日間(49時間)では1/100まで減衰するようです。
外の放射線濃度が薄まってから、避難を開始するのですが、
- 手袋
- 帽子
- 雨ガッパ(全身を覆えるもの)
- マスク(放射能汚染されていないタオルも可)
以上の装備で風上方向に避難をしてください。
爆心地からの距離をイメージしておく
すこしデリケートな話になりますが、爆心地を想定して、被害範囲をイメージしておきましょう。
ドコを設定しても角が立ちますが、今回は「爆風」というワードが出てきているので、大きな玉ねぎの上を爆心地としてみます。
【ケース1:広島と同程度の原爆が日本武道館上空で爆発した場合】
上のマップは、Ground Zero というサイトで、住所と爆弾のサイズを入力すると、爆心地からの距離で色分けしてくれます。
(リンク:Ground Zero)
- 濃い紫は半径0.7キロほど
- 薄い紫は半径1.2キロほど
- 濃いオレンジは半径1.8キロほど
- 薄いオレンジは半径2.4キロほど
薄い紫よりも内側は、コンクリートの建物や地下で無いと、生き残るのが難しい範囲。
広島では、変形2キロ程の距離の建物が全壊していたとされています。それが、濃いオレンジが示す範囲。
薄いオレンジよりも外側なら、熱風・爆風の被害は少ないので、木造の建物でも壊れずに残るのではないでしょうか?
【ケース2:実験をした水爆?が日本武道館上空で爆発した場合】
つい先日、北朝鮮が行った水爆実験と呼ばれる弾頭が爆発した場合はどうなるでしょう?
威力は4倍強。建物が全壊するとされる距離は、なんと半径7キロ。
視覚で確認してみましょう!
ズドン
北は、王子駅。
東は、亀戸駅。
南は、品川駅。
西は、中野駅。
こんなに広い範囲の建物が根こそぎぶっ飛びます。恐ろしい・・・。なんて事するんだ北朝鮮。しかも、何か日の丸っぽい。縁起でも無い・・・。
「いあー、良かった~住んでるの世田谷で・・・」
なんて思った人はいないですよね? あくまでも日本武道館上空だった場合の被災範囲なので、日本全国、安全な場所なんて決まってません。
まとめ
核ミサイルが飛んできたら
- まず、避難!!可能な限り、コンクリート造りの建物、地下街に逃げ込む
爆発後
- ラジオなどで情報収集
- 爆心地近くなら、火災から逃げ、安全なコンクリートの建物や地下に避難
- 爆心地から距離があれば、24時間~48時間ほど建物の中で待機
この時に、換気扇を止め、窓に目張りをし、窓から離れる - 24時間~48時間後、内部被ばくと外部被ばくに注意しながら、避難
避難時は、帽子・手袋・雨ガッパ・マスク・きれいなタオルなどを装備する
避難までの流れはこんな感じ。
これを遂行する為に必要な準備は、、
- より安全な避難場所の事前確認
- スマホにラジオアプリを入れる
- 自宅の中で一番安全な場所に、目張り用のテープ、着替え、靴、帽子、手袋、雨ガッパ(防護服がベスト)、マスク、タオルを事前に備えておく
それに加えて、甲状腺を守るために、ヨウ素の錠剤かサプリを用意しておくとベターです。特に子どものいるご家庭は。
出来ることから、コツコツと。
準備をやるか、何もせずに殺られるかは、あなた次第。
化学兵器と生物兵器の時の避難方法は、また別で書いてみます。