こんにちは。地元の防災部に所属した、新米防災部員のさいとうです。
東京で東日本大震災を被災した人の話を聞くと、
「その日は何時間も歩いて帰った」
「帰れなかったから、会社に泊まった」
「電車が動くまで飲んでた」
当日の経験談はさまざまですが、その多くは、帰宅困難者としてどうしたかの話です。
そんな中、先日中学校で避難所運営訓練を行いたい! という校長先生の要望で、打ち合わせに行ったとき、校長先生から東日本大震災のときの学校対応の話が聞けました。
その中で、割と驚く一言をサラッと聞くことが出来ました。
帰宅困難者の避難所利用は断ってました
あの日、帰宅困難者になったみなさんの中に、避難所に行ったら受け入れてもらえなかったという経験をした人はいないでしょうか。
あなたがもし、家まで歩いて帰る途中で、、
もー歩けない。
寒すぎる。
とにかく少し休みたい。
となった時、目の前に避難所があれば、少し休んでいこう! ってなりますよね。きっとなるに決まってます。
そんな疲れ果てたあなたが避難所に入ろうとすると、避難所を管理している校長先生がこう言います。
「入れられません」
「・・・」
↓
はぁ~??
↓
ココは避難所と違うんかいっ!! ざけんな、入れろや~!!
どんだけ税金払ってると思ってんだ、ごらぁ!!!
となりますよね。間違いなく。
そりゃそうです。避難所なんですから。
では、何故、校長先生は避難所を利用しようとした帰宅困難者を受け入れなかったのでしょうか。
帰宅困難者の避難所は都立高校
東京都の災害時の原則では、この校長先生の行動は正しいとされています。
なぜか。
それは、避難所は受け入れる人をカテゴリー分けしているからです。
【区立小学校 ・ 区立中学校】
地元の住民のための避難所
【都立高校】
帰宅困難者や近くに勤務している人のための避難所
このようになっています。
なので、区立中学校の校長先生は帰宅困難者に対して
「近くの都立高校に避難してください」
となるわけです。
「高校への誘導が大変だったんです」
「中には、無理やり入られちゃったり、苦労しましたよ~」
そりゃそうでしょうね。
校長先生は当たり前のように話すけど、その事実はみんな知らないんですから。
この点について、後日役所の防災課に連絡をとってみました。
東日本大震災を経験して、ルールを変えました
『区立の小・中学校に、地域住民の人以外が避難をしたら入れてもらえないと聞いたのですが、本当ですか?』
このように問い合わせてみました。
防災課の担当者
「原則は、そのようになっています。ただそれはあくまでも原則であって、震災を経験を活かして、実際には全ての人を受け入れることになります。やっぱり、避難して来られた方を受け入れないという訳にはいかないですから。」
変わったようです。
良かった。良かった。
と、正直素直に喜べません。
だって
校長先生と防災課の職員さんの2人からしか話を聞いていないのに、その2人の意見が割れているんです。
それに公務員の「あくまでも原則」というセリフはどうも引っかかります。
責任が発生する決断を下せるのか!?
原則やルールは、震災などの緊急時は、その時々の状況に応じて対応を変えていくことが望ましいと思います。
お話しをして下さった校長先生は、東日本大震災の日に東京で帰宅困難者の受け入れを拒否していたと仰いました。
ここで、疑問が生じます。
原則、区立中学校は地元の人のための避難所です。きっとこの原則は、避難所がパンクしないようにするため決められたもののはずです。しかし、あの日都内で避難所に避難をする必要があった地元住民が何人いたのでしょうか?避難所がパンクをする恐れはあったのでしょうか?
そう考えると、どうしてもネガティブな発想をしてしまいます。
原則を破って、責任を追及されたくない。とか、自ら考えることをせず、単純に原則だから遵守したのか・・・・・・。
すごいあり得そうです。
まとめ
みなさんを守るために考えられた原則であるにも関わらず、あくまでも原則の範囲内でしか物事を決断出来ない人がリーダーシップをとる可能性があることを、私たちは予め予測しておく必要があるのかもしれません。
避難所を利用するかも知れない、私たちに出来ることはなんでしょうか? 安心して避難出来る環境は、どうしたら手に入るのでしょうか?
そんなことを考えさせられた校長先生の一言でした。