フェイスマスクのさいとうさんだぞ。こんにちは。
未来防災課が熊本の被災地に物資を届けに行ったお話しの後編です。
(前編はコチラ)
平成28年熊本地震から約2か月半。
避難所生活を送っている被災者の方々のストレス削減のために、フェイスマスクLuLuLunを配りに、未来防災課は熊本に降り立ちました。
地震の大きさを感じた建物被害
熊本空港、ところどころに結構大きな亀裂が・・・。
トイレに行こうとすると1か所は全面閉鎖。長ーい通路の反対側にあるトイレまで行かないといけませんでした。トイレって地震に弱いですよね。
「地震が来ても、うちはマンションだから避難所に行かなくても平気」と高を括っていると、排水管が壊れてしまって自宅では生活出来なくなり、結局避難所へ・・・、なんて事になるのでご注意を。
飛行機から見えた青いオシャレな屋根をしたたくさんの家。実はブルーシートをかぶせていたからだったと気付いたのは、レンタカーを借りて熊本市内に入ってから。
市内では、建物の危険度判定が進んでいるのか、「危険」と書かれた赤紙が貼られた家も数多くありました。
昨日まで住んでいた家に突如住めなくなる。この虚無感は想像できるものじゃありません。
フェイスマスクを配りに、いざ避難所へ
レンタカーにはフェイスマスクがギッシリ。
オリックスレンタカーさんにお願いして、マスクを預かってもらう事にはなっていたのですが、な、なんと全て車に詰め込んでくれていました。ホント恐縮。。。
レンタカー借りる時は、次も絶対オリックスさんにしますーー。感謝!!
感動のおもてなしを胸に、避難所へ物資を運びます!
まずは大津町の避難所。
ここ老人福祉センターに「は、事前の連絡が現場のスタッフさんに届いていなかったようで、あたふたさせてしまった。ごめんなさい。
ただでさえ混乱している現場に、個人からの突然の物資の配給。管理されている方には迷惑ですよね・・・。この後から周る避難所には、念の為に直接電話を入れてから伺う事にしました。
曜日でしたが、避難所で生活を送られている方は日中は不在ぎみ。自宅の片付けなどに出かけられているだと思います。なので、係の人にフェイスマスクを預け、配って頂くことに。
避難所での生活ルールや各案内は、こうして掲示板に貼り出されます。
「乾燥機を2台同時に使用しないで」の貼り紙も。せっかく乾燥機があっても、2台いっぺんに回すだけでブレーカーが落ちちゃうなんて不便ですよね。ただの停電も、地震の後だと余計に恐怖でしょうし。
やはり避難所生活は、想像つかないような様々なストレスの原因があるんだろうなと感じました。
それにしても、貼り紙がこんなにあってちゃんと読むのでしょうか? 普段、町会の掲示板すら見ない若者に向けて、SNSで情報を流すことも同時にやって欲しいなぁ。
2か所目の避難所は、こちらも大津町の公民館。
駐車場で荷降ろしをしていると、早速声をかけられました。
こちらの女性は、公民館の避難所を担当している民生委員の方で、趣旨を説明したら運ぶのを手伝って下さいました。
地震を経験された事で、未経験のボクらに何かアドバイスなどありますか?と聞いたら、
「懐中電灯はいらない。ケータイのライトで十分だから」
「そのかわり、ケータイが使えるようにしておかないとダメ」
だって。もう、ほぼ全ての人にとってケータイがライフラインなんですね。いざという時にケータイが使い続けられるように、携行用バッテリーをみなさんは持ち歩いてますか?
続いては、南阿蘇村の本田技研の体育館。
地域住民の避難所として、自社の体育館を貸しちゃうなんて、さすが世界のホンダ! 避難所の受付には若い男性職員が数名。今考えると、ホンダの社員だったのでしょう。
こういった時に役立つのは「個」ではなく「組織」! 組織の力なんですねー。まじでホンダ△ですわ。
ココでは、直接被災者に直接配って下さいとのことだったので、2人で手分けして配りました。
お昼前の時間帯だったので、避難所にいらしたのは高齢者が9割。モサい男2人が女性用のフェイスマスクを片手に商品の説明をして回りまるという奇妙すぎる土曜日。
初めて直接のリアクションが見れたのですが、評判は上々!! 「こーゆーの待ってたの!!」 とめちゃくちゃ喜んでくれる人も。中にはフェイスマスクの成分を見て、真剣にどのフェイスマスクがいいか選んでる方もいました。
ホンダの避難所には、生活スペースの入り口に「プライベートな空間です。ここより先、撮影禁止」の貼り紙が。これはあくまでも推測ですが、大きな避難所なのでメディア関係者がこぞって取材に訪れ、生活空間だろうが何だろうが撮影して回ったんじゃないかなーって。。。
メディアに「見世物じゃねぇー」ってキレた男性が一時期話題になりましたが、同じ様な目にあった避難所はきっとたくさんあったんでしょうね。避難所のリアルな状況を知ると、男性がキレたのも当然の事だったんだと納得できます。
避難所ごとに感じる格差
今回、物資を配って感じたのは、避難所ごとの格差でした。
ホンダの避難所の生活空間は腰高くらいのパーテーションで仕切られているので、歩いていると寝床になっている中のスペースが丸見え。本当のプライベートスペースを確保するのは難しそうでした。
一方、宇城市の避難所には、プライベートスペースがしっかり確保出来るような場所もありました。
こんな風に自分の空間が持てると安心しますよね。
でも、一つ気を付けるべき事があります。それは性犯罪。
あまり明るみにはなっていませんが、実は3.11の時も結構あったそうです。プライベートな空間だからこそ発生してしまう事件なので、導入をする避難所では十分過ぎる程の対策を講じてもらいたいのですが、まずはその前に性犯罪のリスクがある事をみなさん自身が知っておいて下さいね。
その他に感じた格差は、支援の数の違いです。
20名ほどが生活する小さな規模の避難所には、外からの支援があるようには感じられませんでした。
物資の受け入れに慣れていないのか、受け付けの方が受け取るだけでどの様に配るのかすら決まって無さそうな場所もありました。
反対に、大規模な避難所では、受付で氏名、住所、物資、数などを記入して、何故か記念の撮影をするところまで。支援の対応に慣れているようで、職員さんはあたふたする事なく対応して下さいました。
この避難所では、我々がいる間にも「駐車場のスペースで歌手による歌のステージがあるので良かったら来てください」みたいな案内があって、賑やかな印象も受けました。
避難所って、場所によって本当に違うんです。
そう言えば、3.11の時も、2か月近く経った5月3日に炊き出しに行って「震災後、初めての炊き立てのご飯だぁ」という言葉にゾクッとしたのを思い出しました。
テレビでは石原軍団とかが盛大に炊き出しをやってる映像が入ってきていたから、てっきりどこもそういうものかと・・・。
避難所によっては、頻繁に炊き出しがきたり、芸能人がきたりするところもあれば、1度たりとも何も来ない場所だってあるのでしょう。
静かに生活できるのと、どちらが良いのかは分かりませんが、温かいご飯が食べられる炊き出しなら嬉しいですよね。
まとめ
後日、撮影した写真の利用を確認するために避難所に連絡を取らせて頂きました。すると、
「本当にありがとうございました!」
と予想外の熱烈な感謝のお言葉。
どうやら、係の人もビックリするくらいフェイスマスクが大好評だったらしいです。そんな事もあり、写真の使用は2つ返事で許可を頂けました。
今回、実際に熊本に行って感じた事は、