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2017.03.09 子どもがいる家庭では必ず実践してもらいたい「防災」のはじめの一歩とは!?

こんにちは。未来防災課のさいとうです。

東日本大震災から6年の月日が経とうとしています。あの時の経験から「地震にちゃんと備えなきゃ」と準備をしたみなさん、今もその時と同じように準備出来ていますか?

それはさておき、「防災」と聞くと皆さんは一体何を想像するでしょうか?

水や食料の確保ですか? 防災用品を揃える事ですか? それとも、家具の固定でしょうか?

実はそれ以外に、まず最初に行っておきたいとっても大事な防災があるんです。

家族がバラバラの時に地震が発生したら??

言わずもがな、地震はいつどこで起きるか分かりません。

休日の昼下がりかも知れませんし、作っていたインスタントラーメンが出来上がった瞬間かもしれません。はたまた、巨大台風が上陸している時かも・・・。

今回は、平日の夕方に地震が発生したら?? という比較的想像のしやすいケースで考えてみましょう。

お父さんは、青山へお仕事に。
お母さんは、品川へ買い物に。
子どもは自宅で桃鉄をやっていましたとさ。

さて、このような場合、みなさんがお父さん、もしくはお母さんの立場だとしたら、どんな事が不安で、どう行動するのでしょう??

どんな不安が頭をよぎるのか? を考える

お父さんの心境を想像してみましょう。

  • 妻と子どもは一緒にいるのか?
  • とにかく無事か?
  • 家族の誰かが本棚や冷蔵庫などの下敷きになっていないか?
  • 火事など起きていないか?
  • ちゃんと避難しているか?
  • すぐに帰宅を開始していいか?

東日本大震災の経験を踏まえると、家族となかなか連絡が取れない可能性も考えられます。

連絡が取れないとすると、家族の安否を確認するためにお父さんはすぐさま帰宅しようとするのでは無いでしょうか? お気持ちは分かりますが、残念ながら間違いなく帰宅困難者の1人になってしまい、すぐには帰れません。

では、続いてお母さんはどうでしょうか?

  • 子どもは無事か?
  • 何かの下敷きになっていないだろうか?
  • 無事だとしたら、子どもはどうするだろうか?
  • 自宅で自分の帰りを待つだろうか?
  • 学校などへ避難をしているだろうか?
  • 家の近くで火の手は上がっていないか?
  • お父さんは何処で被災したのか?

まずは子どもの安否が気になるような気がします。旦那さんはきっと2の次。なかなかSMAPのらいおんハートのようにはいきません。世の中のお父さん、がんばりましょう!

  1. 子どもが無事かどうか
  2. 無事だとしたら、どうしているか

とにかく、この2つで頭の中がいっぱい。家に帰るか、子どもが避難をしていると信じ自分も避難するか・・・。この様な、究極の選択を迫られるのが震災なのかもしれません。

食料の備蓄の前に必要な防災とは?

ここで、1つ考えてもらいたい事があります。

  • 水の備蓄ってまだあったかな?
  • 非常食の賞味期限、切れてなかったかな?
  • 懐中電灯に電池入ってたかな?

大地震の直後、家族がバラバラの時に、こんな感じの心配をする人はいるでしょうか?

「防災」と聞くと、どうしても水や食料の備蓄や避難用具の準備だと思いがちですが、いざその時は、家族の安否と家族の行動が何よりも気になるものです。

先に挙げた例で説明するなら、

お父さんは、妻と子どもの安否が心配で、無理して帰宅しようとする事で、逆に命を落とすかもしれません。

お母さんは子どもが心配で、無理をしてでも一度帰宅をしようとすることで、地震によって発生した火災に巻き込まれるかもしれません。

ウェザーニュースさんのアンケートによると、東日本大震災の時、避難場所から自宅などに帰り被災して亡くなった人は、津波で亡くなった人の約6割にも上るんだとか。

そして、自宅に戻ってしまった理由で一番多かった回答が「家族を探しに」だそうです。

すぐに避難をすれば助かった多くの命が、誰かを助けようとした事で助からなかった。それが、東日本大震災の死者数が増えてしまった要因の1つでもあります。

家族全員で助かる為にしておく最も大切な事とは?

「自分の命は自分で守る」これを家族のルールする事が、実は防災のはじめの一歩です。

震災時は自分が助かるだけで精一杯。自分の命も、家族の命も、とはいかない可能性がある事を覚悟しておかなくてはいけません。

だからこそ、自分で考え、自分で避難出来る子になるように、ちゃんと教育をする必要があります。そして、これは絶対に学校任せにしてはいけません

何故なら、子どもだって親の安否が気になるからです。

先ほどの例を、子どもの視点で考えてみましょう。

子どもが「お母さんは絶対に僕を迎えに家に帰って来るはずだ」と考えれば、火の手が近付いてきても、ギリギリまで避難を開始しないかもしれません。

しかし、「お父さんとお母さんは安全な場所に避難をするから、お前もちゃんと安全な場所へ避難するんだぞ!」 と子どもがちゃんと理解をするまで伝えていたらどうでしょうか?子どもはその言葉を信じて、避難を開始するのではないでしょうか?

これが小学校の低学年の児童であっても理解できるルールである事は、東日本大震災時の釜石で証明されています。

親子で交わす約束だからこそ意味があります。自分の子どもの命を守る事を、他人任せにしないで欲しいと思います。

そして、その時が来たら家族全員が家族を信じて避難をする。震災直後の私たちに出来る事は、きっとそれくらいのものなんです。

まとめ

東北には「津波てんでんこ」という言葉があります。

津波はすぐにやってくるから、他人の事は構わず、家族はてんでばらばらに逃げなさい。という意味の言葉です。

この「津波てんでんこ」を実践するには、事前準備が必要なんです。

「お父さんとお母さんは絶対に安全な所に避難をするから、お前も絶対に安全な所に避難するんだぞ」と。

このルール作りが出来ていなければ、絶対にうまく避難出来ません。

水や食料を用意するのも大切ですが、それよりも前に、是非とも家族全員が助かるルール作りをして欲しいと切に願います。

参考資料:株式会社ウェザーニュース 東日本大震災 津波調査

斎藤啓之

執筆者:斎藤啓之

1980年生まれ
両親の出逢いはテニスコート。男3人兄弟の長男で、3世代で暮らし、友だちから「サザエさんのウチみたい」だと言われるような家庭で育つ。
料理は全く出来ないが調理師免許を持っており、味噌が変わると判る味覚をもつ。
剣道の有段者なので、棒で人を叩くと逮捕される。
趣味は、高3の秋から始めた野球。甲子園を目指したことの無い野球人。
ほとんどの人にA型?と聞かれるO型。

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